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大阪で働く法務パーソンのはなし

コンプライアンス研修の時期と目的と目標

4月になり、我が社にも新入社員がやってきました。

自分にもあったはずの初々しさがまぶしいです。

そして、研修の季節。我が社の法務・コンプライアンス部門も、子会社を含めた新入社員研修と新任管理職研修の一環として、コンプライアンス研修を仰せつかっています。

コンプライアンス研修は、いつ、どれくらいすべきか

新入社員編

我が社では、自社と子会社のそれぞれの新入社員研修と新任管理職研修の計4回のコンプライアンス研修を行います。

まず、新入社員研修については、4月のできるだけ早いタイミングで実施されます。

そして、その時間配分は、

 自社→90分

 子会社→60分 ※子会社は全体的に研修スケジュールがコンパクトに設計されている

私としては、適切な時期にきちんと時間をとってもらえていると満足しています。

以前に、他社さんと新入社員研修について意見交換をしたことがあり、その際には、30分程度というところも多かったので、我が社はしっかり確保しているといえるでしょう。十分かというと、それは議論がありそうですが、少なくとも一発目としては十分だと思います。

また、超大手企業になると、100人以上の前で一方的に講義して終わり、というところもあるそうです。致し方ないことでしょうが、コンプライアンスは自分の頭で考える癖をつける必要がありますし、そもそも研修というのは双方向でなければ身につかないと言われていますね。

翻って、我が社は一人ひとりの顔と名前を一致させることができるくらい(最大20名程度)なので、双方向を心がけています。

たとえば、毎年、一発目の質問は、「コンプライアンスを小学生でもわかる言葉で説明してください」なのですが、グループで意見交換した後、発表してもらっています。

まだまだ工夫の余地があり、毎年改善を図るべく、他社さんが公開されているコンプライアンスハンドブックなどを参考にしています。「社員にこんな教育をしている」と公開されている会社さん、本当に素晴らしいです。早く追いつけるように頑張ります。

新任管理職編

続いて、管理職ですが、こちらは試行錯誤の真っ只中です。

ひとまず、今年は、

 自社→90分

 子会社→30分

のプログラム。30分でコンプライアンスについて新任管理職に学ばせろとは、なんとも強引な企画ですが、時間がもらえるだけありがたい話です。本当は、それぞれ1時間くらいほしいところですが。

自社については、法務(契約書や情報管理)研修も含めてこの時間なので、受けるほうはかなり大変なことでしょう。

コンプライアンス研修のあるべき姿ー継続が必要

コンプライアンス研修は、職位別に継続して行うのが望ましいと、私は考えています。

その心は、新入社員であれば、自分たちがコンプライアンスを実践するにはどうすればよいか、管理職であれば、チームにコンプライアンスを実践させるにはどうすればよいか、違反が発覚したときに自分はどんな行動をとるべきなのか、経営陣であれば、コンプライアンスのために内部統制をどうデザインし、運用・モニタリングすべきか、と、研修目的が異なることにあります。

コンプライアンス研修の目的と目標(私の現時点版)

研修をするには、その目的と目標を適切に設定することが何より大切です。

先ほどの職位別に、現時点で、私が設定している目的と目標をご紹介してこの記事の結びにします。

<新入社員>

目的:コンプライアンスを実践する

目標:

 ①コンプライアンスを説明できる(言語化できる)

 ②コンプライアンスを実践するためにすべきことを知る

<新任管理職>

目的:コンプライアンスを自ら実践するだけでなく、チームに実践させる

目標:

 ①コンプライアンスを説明できる(言語化できる)

 ②コンプライアンス実践するためにすべきことを知る ※ここまでおさらい

 ③コンプライアンスの必要性について理解を深める

 ④コンプライアンス違反があったときの対応を知る

<経営陣>

目的:コンプライアンスを達成するための内部統制システムを構築する

目標:

 ⓪コンプライアンスが会社経営に必須のものであることをおさらいする

 ①世の中の流れを知る

 ②自社の現在地を知る