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大阪で働く法務パーソンのはなし

資本関係と商号(名称)の使用

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大型連休の後半、青森県へ旅行に行っていました。

青森で改めて考えたこと。それは、本体の「冠」(ブランド)はどこまで使用を認めてよいものかということです。

きっかけは、我が社の取引先(特約店的な存在)と思われる会社さんが我が社の名前を使って「XX青森」みたいな名前でお仕事をされているのを発見したから。

グループ会社に本体の商号をつけるのは普通だが…

グループの中核会社が知られた商号やブランドを有する場合、その名称をグループ会社に使用することはごく普通のことです。

そうすることで、グループ会社の社会的信用度を高めることもできるし、従業員の一体感も生まれ、モチベーションの向上にも一役買っていると信じています。

では、本体の冠をつけてよいのはどこまでと考えるべきでしょうか。

子会社=◎、持分法適用会社=○、資本関係なし=× でもない?

子会社は俎上にあげるまでもなくOKとして、持分法適用会社はどうでしょうか?

これも開示資料などではグループ会社として名を連ねるので、名前を使わせることに問題はなさそうです。合弁事業の場合には、パートナーそれぞれの商号をとることも多いですしね。

資本関係が希薄かゼロの場合、ほぼ「赤の他人」なので、私は、自社の商号を使わせることに違和感を覚えるのですが、実際にはよくある話のようでして、たとえば、自動車の世界では、ディーラーはメーカーとは資本関係がないのが原則のようです。

「名前を使わせる責任」はないのか?

繰り返しですが、私は、資本関係が希薄なところは(多少取引関係が濃密であっても)、名前を使って欲しくないという意見です。

理由は、同じ名前を使えば、一般の方は「同じグループ」と捉えるからです。資本関係がないなら不当表示じゃないのか。笑

「資本関係がないのに同じ冠をかぶる会社」で不祥事があった場合、当社への影響を思うと大変不安です。監督責任を問われても、答えようがないかも。

自動車のディーラーであれば、きっとメーカーとガチガチの契約書を結び、メーカーの監査を受け入れるなどもしているものと推察します。そうやって、メーカーの名称を使う責任や使わせる責任が明らかにされていれば、資本関係がなくても名称を使う余地はあるかもしれません。

しかし、やはり、同じ冠をかぶるなら、同じ価値観を持つべきではないでしょうか。企業の価値観は、企業理念と等しいので、企業理念が同じ=同一の企業集団に属するということになるのが自然ではないかと。

自分の名前を使わせるなら「名前を使わせる責任」を引き受けなければならないと、私は考えています。

 

「XX青森」とは資本関係がないのですが、その商号が書かれた車が走っていくのを見て、この車が飲酒運転でもしていたら、我が社はどう対応するつもりだろうか?と考えずにおれないひとときでした。