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大阪で働く法務パーソンのはなし

配属者へのトレーニングのいろは

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我が部署に、念願の新人がやってきました(約1年半ぶり)。

法務の仕事は基本的にはOJTで覚えてもらうのですが、その基礎部分については、配属直後にいくつか講義を行います。今日は、我が部署の方法をご紹介します。

まずはオリエンテーション

どの部署でも行われることだと思いますが、まずはオリエンテーションを行います。

ここでは、法務のミッションや業務に取り組む上で重要な心構えを説明し、便利ツールや読んでほしい書籍、推奨資格などを紹介しています。

心構えは、さほど大したことは言っておらず、守秘、誠実、事実が大事、知識やスキルの積極的な吸収とシェア、といったことを伝えています。特に強く説明するのは守秘の話で、業務上「自分には教えてもらえない話」が結構あるので、それで気を悪くしないようにという思いを伝えています。

読んでほしい書籍は、以下を紹介しており、そのほかに公用文の書き方や送り仮名の付け方なども目を通すようにいいます。

身につけてほしいスキルは、経営法友会のスキルマトリクスを参考に我が社なりにアレンジしたものを一覧化して渡しています。

事業の説明と我が社の歴史

次に、業務を行う上で最低限必要と思われる知識を座学で教えるのですが、その中でもとりわけ重要で、書籍や外部セミナーでは学ぶことができないのが、自社の沿革や事業の話です。これについては、ある程度時間をとって、丁寧に伝えています。

たとえば、我が社の事業領域は大きく3つあるので、それぞれについて登場人物や契約関係などを説明したり、グループ会社がどんな仕事をしているのか、社内の専門用語などについてもじっくり時間をとります。それでも、一度聞いたくらいで理解するのは難しいことが多いので、事業の説明は、一年くらいは繰り返し説明しているような気がしています。私自身、すでに入社して何年も経つのですが、いまだに「え?そんなことしているの?」と驚くことがあるほど、事業を深く理解するのは難しいです。。

次は契約書チェックの仕方

事業の説明が終わったら、まずは法務がどんな仕事をするのか、どんな法律を知る必要があるのか、といったことを簡単に紹介します。いろいろな考え方があると思いますが、私は、「法務」という枠に収まっているのが嫌だし、本当に法務の使命を果たすなら、幅広く会社のことや社会の動き・要請を知る必要があると考えるので、初期のうちに会社法(機関)の話、リスク管理や内部統制の話などもしています。全部理解してほしいというわけではなく、会社には色々な立場で仕事をしている人がいることを知ってもらえたら十分です。

そして、メイン業務のひとつである、契約書チェックの仕方について説明をします。ここでは、依頼があったらどう対応するのか?という手順を話しています。具体的には、まずは事実関係や背景を確認し、一読してみてわからないことがあれば、依頼者に聞いたり、条文などを調べたりし、修正案を作って最後に全体をチェックする、という流れになります。ここでも、事実を確認することを念押しするとともに、修正案を出すときには、複数のオプションを提案できるようにしよう、と言います。「これしかダメ」では、依頼者の期待に応えきれないからです。

ここまで説明したあとは、特によく参照する法律についてもう少し詳しい話をしていきます。我が社の場合だと、下請法や商標法などです。ほかにも、登記事項証明書の読み方を説明し、法務局まで取りに行ってもらうという経験もしてもらっています。登記事項証明書については、閉鎖謄本が読めれば合格とみています。

 

このスタイルで3名ほどの新配属者を受け入れてきましたが、今のところ私が望む成長曲線で成長してくれていると感じています。望むらくは、もう少し若手に難易度の高い案件に携わるチャンスが回ってくるといいのですが…