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大阪で働く法務パーソンのはなし

一般職を考える

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我が社では、総務と法務は同じ部署にあり、ボスは同じです。ついでに人事も。

そして、私たち法務部門は全員総合職ですが、総務は管理職を除いて全員一般職。

一般職って、何なんでしょうか。

総合職と一般職の違いは有意か?

我が社の場合、総合職は全国転勤があります。一般職はそれがありません。そして、総合職には(歩むかは別にして)出世街道が用意されており、一般職にはない。よって?給与にも大きな差がある。古くからの典型的なパターンです。ただし、学歴では、高卒で総合職の方もいるし、大卒で一般職という方もあります。

業務はというと、一般職は、確かに庶務的業務が占める割合が多いようですが、隣の総務を見ていると、施設管理に加えて、全国の事業所、社宅の管理、車両の管理、文書や押印の管理…と、とても「庶務」の範囲とは思えない業務に追いかけられています。電球を替えるところから株主総会の陣頭指揮まで、「誰もやらない仕事」を総務が引き取ってくれている状態。

総合職は様々で、一般職の人と同じ(ように見える)仕事をしている人もいるような気もします。今の時代、総合職と一般職という分け方で有意な差ってあるんでしょうか。バリバリ事務をこなしてくれる一般職と、いるだけの窓際族、どっちが会社に貢献しているのだ?

一般職への教育は不要?

正直、我が社の総務は改善余地が大ありなのですが、進んでいません。その理由は2つあると考えられ、ひとつは忙しいということ。もうひとつは、「改善する」という考えがないことです。なぜなら、一般職には教育を受ける機会があまり与えられないから。

人事部門は次のように考えているのではないかと思います。

  • 誰にでもできる仕事は、コストをかけずに一般職にさせればよい。
  • つまり、会社が教育の機会を提供することも不要。

そうすると、一般職社員には、次のようなことが起こっているのではないでしょうか。

 

給与が安くて自己投資が難しい。どうやって学んでいけばよいのかわからない。

 ↓

同じ仕事しかできないからスキルも経験も広がらない。

 ↓

昇級、昇格は難しい=給料が上がらない ←事実

 

「貧困のスパイラルを断つには教育しかない」と私は考えているので、一般職にも総合職と遜色のない教育の機会があってしかるべきなのではないか、もっというと、総合職と一般職という意味不明な分け方をやめるべきではないか、と考えるのですがいかがでしょうか。

一般職を半分に、給与は1.5倍に

最近、私は、「こんなにRPAやAIの導入が進んでいるのだし、一般職は半分に減らせるのではないか。そして、給与は1.5倍にできるのではないか。」ということを考えています。一般職から総合職にキャリアを切り替えられる仕組みを作れないか、とも。いつか「一般職出身の法務」を育てたいのです。

法務の仕事は、とても幅広くて深いものですが、国内子会社の法務なら、ある程度トレーニングをすれば、一般職出身でも十分に通用すると確信しています。もちろん、本人の素質や努力は一定程度求められますが、それがあれば、本社の法務や海外の法務だって何も恐れることはありません。