このたび、我が社でお付き合いしている気鋭の弁護士さんを、他社にご紹介することになりました。
「弁護士の見つけ方、付き合い方」は、定期的に法務パーソンの間で話題になるテーマです。
「いい弁護士さんを知らないか?」
今回、ご紹介することになったのは、部下が経営法友会で知り合った他社さんのお悩みを伺ったことが発端でした。
その会社さんは、日本で暮らしていれば誰でも知っているような有名老舗企業なのですが、歴史があるからか、顧問弁護士もだいぶ年季が入っているそうで、思ったスピード感や内容でお仕事をもらえないというお悩みをお持ちでした。
そこで、「相談しやすい優秀な弁護士を知らないか?」と聞かれ、部下が推したのが、我が社の顧問事務所の若手の先生でした。
弁護士を使いこなすのは法務パーソンの仕事
我が社もそうなのですが、地方にあり、かつ、そこそこ歴史もあるという企業の多くは、長年付き合ってきた小〜中規模の顧問弁護士事務所を抱えているのではないでしょうか。大規模事務所が東京以外にサテライトオフィスを設けるようになったのは、ここ10年足らずのことで、それまでは、通常の企業法務案件なら地元の弁護士にお願いしていました。
当時は、現在のように高度複雑な、あるいはグローバルな案件は、地方企業には多くなく、最先端の知見やリソースを持たない弁護士でも十分に対応できていたのだと思います。実際、弁護士の専門分野の細分化がぐっと進んだのも、ここ10〜15年ではないかと感じます。
しかし、時代は変わりました。誤解を恐れずに言えば、私は60歳を過ぎた弁護士と仕事をしたいとは思いません。最先端の知見を自ら開拓しようという姿勢を貪欲にお持ちの方に巡り合ったことがないもので…(この点、裁判官と学者の先生方はものすごく尊敬します!)
もちろん、超がつくベテランの弁護士にはまた別の強みがあるので、弁護士を使う私たちがうまく使いこなさないといけません。
「気に入らなければ変えればいい」というど正論
「弁護士が気に入らなければ、変えればいい。その権利は私たちが持っているはずなのだから。」
弁護士との付き合い方が話題になるとき、オフィシャルな答えは大体こんな感じです。
…実際には、そうもいかないですけどね。。年季の入った顧問弁護士ほど、経営者や役員との強いつながりがあったりするものですから。我が社も、経営者が学生時代に大変親しくしていたらしく、なかなか気を遣わされます。
顧問契約の切り方
では、顧問契約を切るタイミングはあるのか?あるいは、どのように終了を打診したら良いか。
先日の経営法友会の会報誌でこのテーマが取り上げられており、タイミングとしてはご勇退のとき、終了の方便として「これからは案件ごとにご相談したい」とかはどうか?という示唆がありました。これもなかなかハードルが高いですが。。
「これからは案件ごとにご相談したい」の前提として、「業績が芳しくなく、管理部門にもコストカットの指令が出ていて…」といった理由をつけることができれば、まだ理解を得られるかもしれません(我が社はこの作戦で顧問料の値下げ交渉をしようかと企んでいます。)。
もっと、横でつながりたい
多くの法務パーソンにとって、日常的に接することができる弁護士は限られます。ですので、もっと、他社の方と率直に、「あの先生はとても良かった」「XXの分野で相談するなら●●先生がおすすめ!」といった意見交換ができたらいいなぁと思っています(すでにやっています。)。
「なんかちょっと違う」「もっと、こうしてくれたらいいのにな」という思いや、「良い弁護士」を会社の枠を越えて共有することができれば、自社のリーガルサービスの質が向上すること間違いありません。
さらに進んで、それが弁護士にも共有されれば、リーガルサービスのさらなる向上にも繋がるはずので、弁護士事務所には、CS調査をされることをお勧めしたいです。