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大阪で働く法務パーソンのはなし

Cybozu Days 2019大阪に行ってきたーグループウェアは導入しただけでは便利にならない

先週末、グランフロントで開催されたサイボウズ社のイベントCybozu Days 2019に行ってきました。

cybozuconf.com

 

この春kintoneを導入し、案件管理に一定の便利さは感じているものの、バク推しするほどのベネフィットはまだ実感できていません。「使いこなすtips」がひとつでももらえたらと思い、足を運びました。

イベントの第一印象は、「熱気ムンムン。アツい。逃げたしたいくらいに。」でした。

今年のテーマは「モンスターへの挑戦状」

「モンスター」とは、「〇〇しなくてはいけない、〇〇はすべきではないと、実体はないのに支配されている思い込み」全般をいいます。

会社も社会も、そんな思い込み(「常識」と呼ばれる)に確かに支配されていますね。我が社だと、「オフィシャルな社内連絡は『通達』で示達しなければならない」とかですね。連発されすぎて、誰も読んでいないという…

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さて、イベントは、4つの会場に分かれたセッションとサイボウズとそのパートナー企業の出店ブースからなり、どこも満員御礼。出店ブースもじっくり見たかったけれど、歩くのもやっとのほどの盛況ぶりで断念。。

では私は何をしてきたのかと申しますと、kintoneを中心とした3つのセッションに参加しました。いかに自分たちがkintoneを使えていなかったかをしみじみ感じさせるものでしたね。。kintoneが便利になるのは、みんなが使ってこそ!(青野社長も、「グループウェアは導入しただけでは便利にならない」とおっしゃっていました。)

取り急ぎ、案件ごとに付けられるコメント機能は活用したいと思います。コメントにも添付ファイルが付けられたらいいんですけど。。

サイボウズが注目される理由ーオープンすぎる社風

サイボウズは、近年とても注目されている企業です。その理由は、青野社長の個人的な活動(選択的夫婦別姓制度を求める訴訟)もさることながら、その組織風土や働き方がとてもユニークというか、魅力的だからですね。「こんなところで働きたい!」と思わせる企業です。

そして、その特徴としてもっとも有名なのは、「情報がオープンすぎる」ことではないでしょうか。

新入社員から社長まで、インサイダーとプライバシーに関する情報以外はすべてオープンにされているといいます。

よく例に出されるのは経営会議の議事録ですが、先日のお話では、インシデント(情報機器の紛失など)も顛末含めて全員に公開され、役員でも容赦ないそうです。また、経費も丸見えで、どこのお店に行ったかまでオープンにされるから、みんなに言えないお店には行かないという効果もあるのだとか。本当なら、インサイダー情報もオープンにしてもよいとお考えだそうですが、それだと社員が株式を市場で売却できなくなるという配慮から非開示にしているそうです。

噂は事実より速く広まる

サイボウズの情報のオープンさにはこだわりすら感じるわけですが、なぜそこまで重視するのか。それは「自分だけ知らない」という不安や疑心暗鬼というモンスターを取り除くためといいます。

公開された事実はさほど広まりません(∵オープンになっている)が、噂はものすごい勢いで広まってしまいます。情報の小出しも含めて、そういったことが壁を作り、疑心暗鬼を生む。したがって、情報を出すという風土が大事なわけですが、その風土を作れるのは経営者のみ。でもそれは普通の会社では遠い道のり。

そんなお悩みを抱える私たちに、山田副社長からは「できるところから開示していってはどうか?」というアドバイスがありました。青野社長も、「少しずつでも心理的安全性を確保することが大切」とおっしゃっていました。サイボウズでは、社長や副社長相手でも社員からツッコミが飛んでくるそうですが、それは、「ツッコんでも大丈夫」という心理的安全性があって初めてできることですね。

我が社も旧態依然としたところがあり、秘密大好き・噂も横行しています。情報をオープンにすることが最も重要だと山田副社長はおっしゃっていたので、少なくとも自分のチームでは、可能な限りオープンにやっていこうと決意を新たにしました。

問題解決のフレームワーク

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情報の見える化にこだわりのあるサイボウズですが、それは「会社で起きている事実」だけではなく、みんなの「頭の中」もだそうで、①事実と解釈を分ける、②理想と現実を見える化、ということを徹底しているそうです。

このフレームワーク自体は、誰しもが使うものだと思いますが、山田副社長のお話で印象的だったのは、「理想」が人によって違うので、見える化が重要なのだということ。確かに、私もそこをしっかり確認しているとはいえないかも。。

感想まとめ

限られた時間でしたが、「なぜ働き方改革が必要なのか」「開発本部の部長職を廃止した理由」など、他にも書ききれないほどたくさんの刺激をいただきました。とりあえず、山田副社長の新刊は購入したので、年末年始に読みます。乗せられたー。笑