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大阪で働く法務パーソンのはなし

法務のありたい姿

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最近の私の仕事は、個別の相談やトラブルに対応することよりも、法務のプレゼンスをいかにあげるか、全社的な法務のリテラシーをいかに向上させるか、を考えるほうがメインです。好ましいことですね。

実際のところは、「今の法務では、会社の成長を支えられません!」と地団駄踏んでボスに噛み付いている感じですが。笑

突然の指令「2025年へのロードマップを作成せよ」

ここ数年、法務部門を独立させるべきだと繰り返し主張してきました。これまではうやむやにされてきたのですが(汗)、ついに時がきたのか、「2025年に独立するようなプランを考えて欲しい」とボスからお達しがありました。

冷静に考えて「なんで5年後やねん!」なのですが(私が3年前に掲げた目標は今年がその時だったので…)、「うまくいけば早まるかもしれないから…」となだめられ、考えてみることに。

ロードマップといったって、部門を独立させることなんて、ハコ作れば終わりじゃないか?という気もしますが。。

ありたい姿をイメージする

「独立」できるかどうかはさておき、この先も事業が変容・拡大したり、海外グループ会社が成長したりすることは自明であり、私たちは変わっていかなければなりません。「私たち」というのは、従業員ひとりひとりという意味であり、また、法務部門という意味でもあります。

では、どんなふうに変わっていたらいいのか?むこう5年でどんな会社になっていたらいいか?を、計画を策定する前に考えることにしました。すっかりビジョン思考に洗脳されています。

5年後のありたい姿

そこで書いた第一案がこちらというわけです。

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<事業部門は>

  • 法務に相談すれば気づきが得られるというマインドセット
  • ピンチでは法務が最前線に立って守る
  • 法務はプロジェクトに早期から参加する「頼れる仲間」

<役員・部門長は>

  • 論点が明確な議論をする
  • ガバナンスが強化され、さらに効率も上がる

<従業員は>

  • リテラシーがあがってひとりひとりの倫理観が向上し、働きやすく働きがいのある会社となる

<グループ会社&法務は>

  • グループ会社間交流により、互いのリソースやノウハウを共有できる
  • グループ会社は必要なサポートが得られるし、適時に情報が入る

ステークホルダーは>

  • 当社を選ぶ

→グループの理念やビジョンの実現が果たされる

というイメージ。

描いた後で、テクノロジーの活用が支えにあることや、企業活動により新たな事業(価値)が誕生するというのもあったほうがよかったなと思ったり、構図も違うほうがいいような気がしたりして、何度か描き直しています。

「らしさ」は不要=外注可?

一応、ありたい姿のイメージを絵で描けるほどにはクリアにしたので、これを踏まえて計画策定にも着手しているのですが、ありたい姿に当社「らしさ」というものはさほど感じられないように思いました。やはり、法務部門というのはどこの会社でもビジョンやミッションは同じなんでしょうかね。。

法務は、会社のブレーンで、会社のDNAを最も深く強く刻んだ人たちである必要があると思っていたし、そういう人たちだからこそ法務で良い仕事ができると信じていたのですが、こうして絵にしてみると、我が社でなくても「ありたい姿」として十分使えそうです。あれ?法務って外注可能なのかな…

最近、システム部門の外出しが増えているようです。自分たちで数百人のスタッフを抱えて開発できるような体力のない会社が、大手ベンダーの力を借りて開発・保守や人材育成をするというもの。実際には、自社のシステム部門とベンダーの社員のハイブリット体制で対応するみたいです。

法務もそんなふうになれるかもしれません。いや、システム部門のベンダーが担う役割はリーガルテックがやるのかも?契約書レビューの受託サービスだって出てきていますしね。

ロードマップやいかに

我が社(私)は、結局どんなロードマップを描こうとしているのか?

「部門独立のために何をするか」を考えると、業務の見える化をするとか、「頑張っているアピール」を経営陣にするとかいうことになってしまい、全く心が動かないので、どうやったら「ありたい姿」に近づくかという視点で考えています。すると、私の発想はどうしても「教育」に傾いてしまいまして、社内インターンとか、人材交流とかいう案になってしまいます。もちろん、とってもいい案とは思うのですが、ありきたりに思われて、「もう一声!」を目下考えているところです。