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大阪で働く法務パーソンのはなし

部署目標を考えよう

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あけましておめでとうございます。 
今年も、自分が得た気づきや学びを、過去と将来の自分のために残すつもりで書いていきたいです。

部署目標を考えよう

年明け早々にせねばならない仕事。それは部署目標を立てることです。
本当はもっと前にしなくちゃいけないのだけど…

ここ数年、「相談対応●件以上」「研修●件以上」といった目標を中心に掲げてきました。しかし、これでは拾えない仕事(貢献)が結構あります。それに、数をこなせば会社への貢献といえるのか?という懸念もあります。懸念というより、「数だけでは測れない」という不満を持っているというのが正しいかもしれません。

360度評価ができたらいいよね、と過去に書いたこともあるのですが、1年以上経っても実現できておりません。。せめて、依頼者へのフィードバック調査はやりたいところ…!

期初に立てた目標では拾えなかった貢献を拾う

来期の目標を考える前に、まずは足元の達成状況を確認してみます。
相談件数は、コロナ禍で減ったようにも感じるけれど、ほぼ計画どおりの進捗でした。研修は、「きっと営業マンは思うように活動できず、退屈しているに違いない」と思い込み、せっせと実施に励んだおかげで、回数・受講者数とも計画を大きく上回っていました。

でも、昨年の忙しさは、ここにすべて現れているとは思えません。そこで、「ここに現れていないけれど、会社にした貢献にはどんなものがあったか?」とチームで振り返ってみました。挙がるのは、訴訟対応、M&A支援、総会支援、人材育成(新人教育)などなど。総会支援を除いて、期初に予定されていなかったものが並びます。総会支援だって、どの役割が降ってくるのか、期初にはわからないし。

振り返ったところで、こういった目標を期初に織り込むのは難しいのですが、来期の目標を考える分には、チームメンバーの脳みそを程よく刺激できたはずです。

OKR的に考えてみる

部署目標を策定するにあたり、これまでから改善したかったこと。それは、「個人目標が会社の目標とリンクしている」「自分が自分の目標を達成すれば、すなわち組織の目標達成に貢献できる」と、メンバーが思えるような個人目標に落とし込み可能な目標にすることでした。

そのためにはまず、部署目標と会社の目標(中期経営計画や年度計画)とがリンクしている必要があります。会社と個人をつなげるのが部署というわけです。そこで、今年はOKR的に目標を考えてみることにしました。
これまで、中期的な部署目標は、ありたい姿からのバックキャスト方式で考えていましたが、ありたい姿を自由に描くのではなく、組織のありたい姿(=理念・ビジョン)を最上位にセットし、それを個人目標まで全て樹形図的につなぐイメージ。最終的な成果物に大差はないはずですが、組織の目標(Objectives)から個人の成果指標(Key Results)までが1本の線で繋がっているというところが重要です。

法務部門のObjectivesとは?

改めて気づかされるのは、中(長)期経営計画とか、年度計画とかいうものには、法務が直接的に貢献できるような案件はないということです。
だから、法務は、どうしても間接的な目標(Objectives)になってしまいます。たとえば、中期経営計画に「事業領域の拡大」みたいなのがあれば、「自分たちのスキルを上げる」というような感じです。私たちがどう頑張っても事業領域を直接拡大することはないだろうけど、相談に全力に応えることで後押しすることで貢献できるから、そのために自分たちの腕を上げようという流れ。

以上のわけで、結局は例年同様、法務部門の中期的な大目標は「自分たちがもっと優秀になる」と「全社のリテラシーを上げる」で合意形成となりました。これをもう少しブレイクダウンして、OKRのObjectivesとします。色々な方法があるでしょうが、今回は、ベタにブレスト→KJ法→投票で優先順位付けの流れでやってみたところ、以下のようなものが挙がっていました。

  • 研修を実施する
  • もっと情報発信する

OKRの目標(Objectives)は、「ムーンショット」と呼ばれる、野心的な目標が良いとされますが、手始めには、手が届きそうな「ルーフショット」も有効だという説もあります。「研修の実施」「情報発信」は、ルーフショットというより、曖昧な成果指標(KeyResults)かもしれません。でも、なんでも良いのです。やることに意味がある!

ともあれ、ここから定量的な成果指標(KeyResults)に落とし込み、さらに個人の目標(Objective)と成果指標(KeyResults)へと繋げていきます。

普段の仕事ではなかなか失敗が許されませんが、こういうところで「とりあえずやってみる」を実践し、失敗を許容する心理的安全性の高い職場づくりをしていきたいです。メンバーからすれば、私の言い訳にしか聞こえないでしょうが…