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大阪で働く法務パーソンのはなし

聞かなきゃ教えてくれないの?

長年やってきた事業で「これってそもそも許認可がいるのでは!?」と冷や汗をかくことが立て続けに発生しました。

今日のエントリーは、一見弁護士等専門家への不満のようですが、自戒を込めたものです。

過去の大規模再編では検討されず

遡ること10数年前まだ法務もない頃、当社は効率化や品質向上などを求めて事業を大きく再編しました。今の法務メンバーから見ると、いくつかの許認可(届出を含みます。以下同じ。)の要否が気になるのですが、社内資料を見る限り当時検討した記録がない。

ないものは仕方がないので、当時法務支援をしてくれた弁護士事務所に確認してみると、

  • あの案件では会社法関連手続しか依頼を受けておらず、そういう検討はしていない

という冷めた回答でした。

その事務所の経営者は当時の社長と個人的に親しく、当時から今にいたるまでずっと当社の顧問弁護士事務所だし、いいか悪いか別にして社外役員も出してもらっているのに、「頼まれてないからやってない」とな。。
聞かれてもないのに手をつけるのは、専門家として不適切という判断があったのかもしれませんが、当時の会社の能力に照らせば、「ビジネススキームも見てやろう」「そのあたりは検討したか確認しよう」とはならなかったのかしら…

具体的に聞かなければならないのか

また別の案件・弁護士事務所でも、これから他社と取り組みたいことの適法性について相談していたところ、許認可の視点が漏れていました。当社・当社のアドバイザー・相手方・相手方のアドバイザーの4者で打ち合わせを重ねてきたのに、どちらのアドバイザーからも指摘がなかった。相手方のアドバイザーなんて、超一流の有名事務所なのに…もしかして、クライアントである我々がしょぼいからなのか?と邪推したくなります。

何かの拍子でアンテナにひっかかり、「実は●●業の許可が気になるのだけど」と打ち明ければ、それについて色々リサーチして助言を与えてくださるけど、私たちがまず欲しいのは「●●業の許可が必要かもよ」というゼロイチの助言です。
もちろん、一義的には当事者である自分たちで発見すべきですが、「中の人間」には新しい分野で必要な許認可は見えにくいです。だから相談しているのだし…

案件がある程度進んだ段階で、「あ、これやばいかも」と相談して「ほんとですね」と言われたら、その弁護士の起用を継続するか考える。。許認可は数が多いし、法律だけでは理解しきれないことも多く、専門家泣かせなのはわかるんですけどね。
上からチェックしていけるような許認可一覧みたいなのがあればいいのかも。まあ、許認可の存在を知っているからといって、目の前の案件に紐づけられるとは限らないですが。

自らの行動を省みる

ここまで、

  • 依頼者の能力不足を知っているのに、頼まれたことしかやらない専門家は嫌だ
  • リソース・知見が足りないからざっくり相談しているのに、個別具体的に聞かないと教えてくれない専門家は嫌だ

ということを書きましたが、社内的には、「専門家」を「法務」に置き換えることができます。きっと、こう思っている社員は多いはず。

ところが自分の行いを省みると、必ずしもこの思いに応えていないかもしれないと反省します。。もちろん、助言できることがあれば伝えてはいるけれど、「ここがOKかはちゃんと調べてくださいね」と冷たい対応をしているときも。

今はインターネットがあるので、見慣れない案件や新しい取組みでも検索してみれば、きっかけになる情報に出会えることが多いです。なので、もうちょっと踏み込める場面もありそう。ないのはリソース…
もっとも、何か見つかれば「これくらい、自分で見つけてよ」という気持ちを抱いてしまうわけですが。