なかなかハードな毎日を過ごしているのですが、その理由のひとつに「新人が複数きた」というのがあります。小規模法務なので、冷静に考えてめちゃくちゃチャレンジングなことをしている…
【チーム法務】へのオンボーディング
法務に異動してきた人がいたら、初日には必ず1on1のオリエンテーションをします。項目は次のようなものなのですが、きっとどこも似たようなものかと。
- 部署の作法(在宅勤務するときのルールなど)
- 部署のMVV
- 組織図と業務内容・分担
- 今後の予定(座学研修+OJT、取り組んでほしい仕事、空いた時間にすること)
- 心構え(厳守・励行すること)
第一印象が重要なので、オリエンテーションにあたっては以下にも気をつけています。
- レジュメを用意する(準備をして臨んでいることを見せるため)
- 早口にならず、努めてゆっくり話す
- これからすることが少し見通せる話をする(「何をやるか全くわからない」ストレスを減らす)
- 役割をつくる(なんでもいいので、「これは自分の仕事」と言えるものをつくる)
「よくわからないけれど、こういうことをするのか。」「どうやら自分にも早速仕事があるらしい」と思ってもらえることを心がけています。
また、オンボーディングのためにやっていることとして、新入メンバーの自己開示があります。チーム全員が参加して、新入メンバーに自己開示をしてもらったり、知っておいてほしいことなどをインプットしたりしています。そうすることで、既存のメンバーにもチームを考えてもらう機会になっていると信じたい。
「記録魔・メモ魔になれ」
初日のオリエンテーションでは、私から心構えを伝えるのですが、そのひとつに「記録魔・メモ魔になろう。何でも記録すること。はじめのうちは、聞いたことは全部メモするつもりでメモをとってみて」というのがあります。
人間はすぐに忘れるし、そのとき重要と思わなかったことが後になって重要だと気づく可能性もあります。さらにいえば、人間の記憶は非常に怪しい。
それに、過去の経験は法務全体の財産なので、自分にも他人にも後から見えるようにしておく必要がありますよね。そんなわけで、「なんでも記録しなさい」と最初に釘を刺しています。
「聞いたことを全部メモしたつもり」のメモは…
どんな人も初日に言われたことは「はい、わかりました!」と言ってくれます。しかし、手の動き、とったメモを見てみると「言うは易し行うは難し」
- そもそも聞いている間に手が動いていない
- 話した半分もメモがとれていない
といった感じ。メモをとるのは簡単なようですごく難しいから、質は添削を受けながら身につけるしかないけど、手が動いていないのはどう指導したものか…
これは、テレワーク普及の弊害だと思っています。以前なら、依頼者の話を聞いている間、先輩がすごいスピードでメモをとるのを真横で見れましたからね。「メモをとる」とはこういうことと背中で教えられたのに。
相違点をピックアップしてもらったら
新人の案件デビューといえば、(簡単な)秘密保持契約のレビューがお決まり。本当は、自社雛形をちょっといじった程度のものから始めたいですが、そんなに都合良く回ってこないので、相手方作成のものを自社雛形兼プレイブックを見ながらレビューしてもらうことに。
まずは、「両者を比べてどこが違うか比較する」ことに挑戦してもらったのですが、これまた慣れないうちは結構難しいようで、拾えていないものが多い…たとえば、秘密情報の定義として、検討目的や本契約の内容・存在が自社雛形にはあるけど相手方にはないなど。
最初からさらりとやってのける人もいましたが、そちらのほうが異常か。。法務の筋肉をこれから鍛えてもらわないと。
ほんとに、訊いてください
「わからないことは、何でも、何回でも訊いてね」と、新しいメンバーを迎えたときにウザいくらい言ってしまうのですが、思ったより訊かれません。
ウザいくらい言うのが悪いのかもしれませんが、法務パーソンとして目覚ましい成長曲線を描く人はよく質問します。これには例外がないと思う。「忙しいんだろうな…」という申し訳なさより、「どうして?」という知的好奇心が勝ってしまうんでしょうね。
年齢を重ねると、若い人からあれこれ質問されるのは嬉しく覚えがめでたくなるので、ぜひ励行してほしいです。