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大阪で働く法務パーソンのはなし

2022振り返り

2022年の最終日がやってきました。

年始、「法務部門や人材がどのように熟達していくか探究したい」と大風呂敷を広げましたが、終わってみれば、回し車から出られないハムスターのような一年でした。

怒涛の一年

今年はかなり忙しい年になりました。何をそんなに忙しくしていたのだろう?と振り返ってみると、日常の契約書チェックや相談対応に加えて次のような案件・事件に巻き込まれたのでした。

上場企業の法務部門なら、これくらいなんてことないかもしれませんが、我がチームは綱渡りでございました…

私個人としては、同業とのアライアンスがまとまったことが良い経験になりました。成就の経験が増えたことよりも、同業他社を鏡にして自社や業界の理解が深まったことが大きいです。同業他社の法務部門の仕事ぶりをかなり間近で見れたことも大きい。

相談内容に見る自社グループの変化

日常の相談では、専門性の高い相談が増えたなと感じます。白状すると、今の自分たちでは手に負えない相談も増えています。

特に増えたのは特許関連の相談で、知財への感度が高まっているのは喜ばしいことだけど、

  • ●●に関する研究をやるのだけど、特許が取れそうか調べてほしい
  • ●●という取組みをやりたいのだけど、抵触する特許がないか調べてほしい

といった相談は、文系学部卒の人間にはハードルが高すぎます。うちにはJ-PlatPatしかないんだし…

  • ●●という特許を見つけたのだけど、今からやろうとするこの取組みに抵触する?

といった相談であれば、クレームを分解・比較して初期的コメントを出すことはできるけれど、技術的理解の不足があるので確定的な判断は躊躇われます。

そんなわけで、今年は弁理士に頼む機会が増えたのですが、技術の話になると法務はただの伝書鳩になってしまい、「なんでこのクソ忙しいときに駆り出されないといけないのか」とメンバーの不満も聞かれました。知財部ができますように…

ほかにも許認可関係や労務の相談も増えています。面倒が法務に集まっている感。

忙しさの中で見た希望

今年は、個人としても組織としても、年始に立てた「やりたいこと」に手をつけられないほど駆け抜けた一年だったのですが、その中でも希望はあります。

ひとつは、増員してもらったこと。社長の前で「やってられるか」とキレた甲斐がありました。
もうひとつは、メンバーがそれぞれ活躍してくれたこと。元から高い適性があったのか、指導がいいのか(笑)、未経験ながらかなり戦力になっているメンバーがいれば、そんなメンバーを指導してくれるメンバーもいます。「法務で仕事をするのはしんどいかも…」と心配していたメンバーも大車輪の活躍でした。

私の望みは、メンバーが自分の仕事に誇りと満足を感じてくれることなので、来年も(は?)チャレンジングな仕事に励める環境を整えられるよう頑張りたいです。

 

今年も拙い記事にお付き合いいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。