緊急事態宣言の延長が確からしくなってきました。
仮に予定どおりだとしても、翌日からコロナ前に戻るわけではないので、当社では、GW後も当面は原則全員在宅勤務です。
今日は、現在どういう状態なのか、なぜそうしたのか、備忘録をつけます。
緊急事態宣言を受けて、原則在宅勤務へ ツールはTeams
4/8からの緊急事態宣言を受け、会社は、全国すべての事業所に対し、可能な限り在宅勤務とするよう指示を出し、「在社8割減」という具体的な目標も作りました。法務は在宅勤務に馴染む業務ということもあり、宣言後にメンバーが出社したのは1〜2回程度です。私や上司は、「総務のヘルプ」で前半はもう少し出社しましたが、後半になり社長から「総務も8割減」と指示があり、法務は完全在宅にシフト。
この事態に備えて、システムチームは2月頃から全社員分のルータ手配に取り掛かっていました。多少の不便はありますが、緊急事態宣言前に在宅勤務ができる環境が整ったことに感謝です。(日本組織内弁護士協会のアンケート(有効回答610)では、回答者の約90%がリモートワークを実施している、経団連の調査(有効回答406)では97.8%がテレワーク導入済みという結果だそうですが、法務パーソンあるいは会社員全体でそんなに高いはずない…上級企業の結果だ…)
緊急事態宣言後、我が法務チームは巣篭もりになり、まったく顔を合わせなくなりました(通信負荷軽減のためビデオ会議は禁止)。他部署との打ち合わせも、弁護士へのご相談も、全部Teamsです。
在宅勤務で課したルール
法務は、基本黙々とやる仕事ですが、「あれってどうだったっけ?」「これ、どう思う?」という会話が重要と思いますし、うちのチームは単身者がほとんどなので、「誰とも話さず1日が終わる」ということのないように、完全在宅勤務開始にあたって以下のルールを作りました。
- 毎日、少なくとも誰かと電話またはTeamsで話す
- 週に3回、(何もなくても)メンバー全員でミーティングをする
「ちょっとした会話」を実現したくて作ったルールですが、web会議はどこか「かしこまった感」があり、その溝はチャットで埋めるよう努めています。web会議はZoomのほうが快適な気がするものの、組織のコミュニケーションには、web会議、ファイル共有管理、チャットが個人・チームの双方で可能なTeamsが優れていると感じています。
郵便や電話対応、支払は?派遣社員は?
これは法務とは直接関係がないけれど、危機対応の記録として。
できることなら、みんな平等に在宅勤務させたいのですが、以下がネックでした。
- 郵便・配送業者さん対応
- 電話対応
- 支払処理・小口現金
- 押印
- 派遣社員
派遣社員は、派遣会社との調整が必要ですし、在宅でできる業務がない場合は無給になるというので、当初は極力出社してもらっていました。けれど、やはり健康を考えると、同じようにしようということになり、最終的には派遣会社と契約を変更。
郵便や電話、小口現金は、緊急事態宣言発令当初、「どうしても必要だよね」と、総務だけは半分くらい出社して、通常どおりの対応をしてくれていました。けれど、社長からの強い指示で、4月下旬からは総務も1人しか出社しないように。これに合わせて、代表電話の稼働時間は短縮し、(なぜか)同時に、地方に設置しているお客様用のコールセンターの稼働時間も短縮しました。
電話の稼働時間は減らしたけれど、その他の総務業務は、出社している総務が全部やってくれているそうです。支払は、当社が紙大好き企業ゆえ、締日明けにそれぞれ出社して請求書の処理をします(法務からも二人(申請者&承認者)…)。
他社はどうした?
ネックだった対応の中で、結論を出すのに最も時間を要したのは電話対応でした。止める、留守電&折り返しにする、時間を短縮する、通常どおり…いろんな意見がありました。同業他社は、止めるところ、短縮するところ、通常どおりのところ、緊急用の回線(=外部委託先)を案内するところと様々。(ちなみに、先日拝聴したサイボウズ社のセミナーによれば、同社は「総務の携帯に転送」を選択されたそうです。技術的にはできるけど、我が社は絶対選ばなさそう…)
役員の中には「●社のように外部に出せばいいのでは?」という方もあったのですが、「自分のところの社員に在宅勤務させておいて、委託先には3密かもしれないコールセンターで業務をさせるのはナシでは?」と恐れながら意見してしまいました。。
今考えないで、いつ考える?
有識者の間では、この危機を国家がどう乗り越えたかが、今後の国力に影響を与えるのでは?という考察があります。それは企業も同じ。乗り越え方は一つではありませんが、措置を決める過程で「真剣に考えたか?」は必須です。今、DXの可能性を最大限検討しないで、いつ検討するんだろう?
法務は、どう力になれるだろう?と自問し、ひとまずチームでリーガルテックの導入可能性や契約締結フローのリ・デザインの検討に本腰を入れました。一年後、結果が出ているだろうか。