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大阪で働く法務パーソンのはなし

もっとも置いてけぼりの非正規社員

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先週の火曜日、旧労働契約法20条をめぐる訴訟で、賞与や退職金を求める原告の訴えを退ける最高裁判決がありました。
判決を読めていませんが、自分のこれまでの経験を踏まえても、今回の判決をもって「契約社員にはボーナスも退職金も不要」と一般論にしてしまうのは誤りと考えています。非正規で働く方が待遇改善を求めることや企業がほっと胸をなでおろすことは早いということでもある。現に、先週の木曜日には、手当の有無の差を「不合理」とする最高裁判決も出ています。

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顔を合わせないクロージング

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このたび、初めて子会社を手放すことになりました。事務所時代も含めて、これまで買主としてしかM&Aに参加したことがなかったし、ご時世的にもこれまでとプラクティスが違ってハラハラドキドキしています。

顔を合わせないクロージング

契約交渉は比較的スムーズでしたが、戸惑っているのは「クロージングをどうするか」。

売却するのはX国所在の海外子会社であり、在籍する当社社員も完全に転籍してしまうので、クロージングを当社代表として一任するいうわけにはいきません。しかも、買主はY国法人であり、代表者もY国居住者という3国にまたがるクロスボーダー案件な上、ご時世的にクロージングのために本社から人を派遣することも、買主から来てもらうこともできません。
イデアのひとつは、それぞれ代理人として現地弁護士をアサインしてクロージングに参加してもらうことでした。そして、もうひとつの、そして採用しようとしているアイデアは、顔を合わせないクロージング。果たしてどうやるか。

クロージングとは?

通常、クロージングとは、対価を支払い、株主名簿の名義を書き換えることが最重要ミッションです。もちろん、商号や役員を変更したり、重要書類を引き渡したりすることも重要ですが、その辺の前提条件は放棄したり後回しにできても、対価支払と名義書換は放棄できません。

今回の対象会社は、株券発行会社で、名義書換には、株券に加えて売主と買主がサインした所定書式が必要です。もちろん、対価もあるし、他人への譲渡なのでクロージング時に引き渡すべき一定の書類もあります。これらを手交以外の方法でどうデリバリーしたものか、数週間にわたって考えてきました。

①株券

日本なら、株券こそ最も大切なクロージング時の引渡書類と思われ、これをクロージングに先立って相手に渡してしまうことは考えにくいですが、今回は、海外子会社で名義書換には必須だし、対象会社にはSecretaryが付いているということで、先に対象会社に送ってしまうことにしました。

②名義書換用の所定書式

これが最もネックで、本来は一枚の用紙にそれぞれがサインしなければならないのですが、それぞれが別の用紙にサインしてSecretaryに送れば良いのではないか、というアイデアが出されました。しかし、あえなくSecretaryに却下される…次なる手段は、どちらか(買主)がサインして、他方に送り、対価の支払いを確認してサインしたものを返送すれば良いのではないか。子の場合、名義書換すなわち譲渡の効力発生が数日遅れてしまうのが難点です。

③対価の支払い

海外送金だと着金までに数日要する場合もあるので、クロージング日に着金するように手配するのはリスクがあります。そこで、クロージング日には送金指示書を示すことで対応する予定です。

④その他の書類

その他のクロージングのための書類(取締役会議事録のコピーなど)は、当日はPDFでしのぎ、後日原本を送付する予定です。なお、日本では電子契約の導入に足踏みするのに、本件では株式譲渡契約は、サインページのPDF交換で済ます予定。このギャップよ…

結局相手との合意

クロージングセレモニーをするほうが普通と思っている私にとって、「顔を合わせない」クロージングは邪道で大丈夫なのかしら?と思ってしまいますが、子会社の価値なども総合的に勘案すれば、こういった方法で良いのでは?と、今回は自分たちサイドの弁護士から提案を受けました。幸い、買主も「柔軟にやりましょう」と言ってくれ、コロナ禍で海外出張することはありません。これが、もし大型の案件なら、こうはいかないのでしょうが…

総括も必要

まもなくクロージングですが、クロージング時にローカルスタッフに対して何かメッセージを発したほうがよいのでしょうか。そうしたほうがよいのではないかとは思うものの、しなくてもよいくらいにしか当社グループ化できていないから、今回の事態になったともいえます。。

当社では上手く育てられなかった事業なので、クロージングが終われば、総括もしなければなりません。やはり、海外事業は難しいですね。

特許に追いかけられる

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最近、特許の質問が続いてあたふたしました。特許は法律と技術の理解がないと評価できないから、文系の道を突き進んできた自分には苦手な相談…という方が多いと思います。我が社メンバーはみんなそうです。でも、相談が来たからには受けて立てねばなりません。

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内部通報対応どうしてる?

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先月の経営法友会の会報誌(9月号)の記事のひとつに、「関西内部通報実務研究会を終えて」という、内部通報制度を取り上げたものがあります。他社の内部通報のことを知る機会は滅多にないし、参加したかった研究会でもあったので、興味深く拝読しました。

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知的財産活動調査に取り組む

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政府の調査は年中あると思いますが、当社の法務では、なぜかこの時期かなり立て込んでいます。直近で対応しているのは、知的財産活動調査模倣被害実態調査委託元との取引に関する調査…といった感じ。子会社のものも対応するので、回答の主体を混同しておかしな回答をしそうになることも…

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【本】即実践!!電子契約

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当社でも電子契約の導入可否を検討していましたが(ペンディング中)、電子契約どころかDXまで捉えた書籍が出たということで読んでみることに。

後半、技術的な説明はついていけないところがあったのですが、電子契約を導入しようとする人にとってはとても実用的かつ参考になる本でした。

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