週末につぶやいたら、予想外に多くの方にリアクションいただきました。ありがとうございました。
顧問のアソシエイト先生、いつもうちのために汗をかいてくれて、多分優秀で、とても頼りにしてるのですが、唯一直してほしい点がある。それは、助言の最後にほぼ必ずレピュテーションリスクを指摘するところ。「決め手は結局それか」みたいになるの、とてももったいないと思うのですが普通なのかな。
— itotanu (@itootanu) 2023年9月2日
私が見ているものとは違う視点、場面からコメントをいただいたものもあって、勉強させていただきました。
先生と私たちの関係:ツーカーの仲(と一方的に思っている)
まずは、念押しのために繰り返すのですが、
- このアソシエイト弁護士を、私も所属先も完全に信頼しています。
何かあれば、いの一番に相談したいと頭に浮かぶのはこの先生です。 - レピュテーションリスクの指摘を毛嫌いしているわけではありません。
このアソシエイト弁護士との関係をもう少し詳細に説明すると、私たちはほぼ毎週コミュニケーションをとり、「わざわざ弁護士に相談しなくても…」というような問題でも議論します。大企業だと、弁護士事務所から若手弁護士が駐在に来ることがありますが、あれに近い感じ。
なので、法務メンバーの顔と名前はもちろん、我々の能力・スキルや考え方もよく理解してくださっている、いわばツーカーの仲だと信じております…そう、先生がとても真面目な方で、一定以上の懸念は伝えるべきとお考えであろうこともわかっている。
リーガルリスク<レピュテーションリスク?
レピュテーションリスクが想定されるなら、何が起きて会社にどんな影響がどの程度の可能性で発生するのかを考えないといけません。
ただ、レピュテーションリスクは、その問題が社会の関心をどれくらい引きそうか?と密接で、一般消費者を相手にする事業を持っていると(語弊がありますが)それだけでハンデがあります。だから、自分たちの行動が何を引き起こすかは、普段から他社を他山の石にして(勉強させてくれる企業がたくさん…)、いつも頭にあって、率直にいって先生に指摘されるまでもないのです。
「違法になるだろうね」「微妙なところだね」「法的にはセーフだね」の後に「でもレピュテーションリスクを考えたら…」と毎回のように言われると*1、【法的分析<風評分析】になってしまって、法務の名がすたる。
法務の武器・防具は法なので、まずは法的検討から答えを導くべきだし、もし社会的にバッシングを受けることが予想されても、正しいと信じるなら甘受すべきではないか、そう法務が説得すべきではないか、という私の考えが間違っているのかもしれませんが。
レピュテーションリスクの指摘を恐れないでください
念のためですが、「レピュテーションリスクの指摘を弁護士がすべきではない」というわけではありません。
実際、先生には悪いけれど、法務以外の人間が相談に同席するときは、法的には微妙(又はセーフ)でも、「風評を考えるとこうしたほうがいいですよね」と水を向けて「そうですね」と言わせているケースもたくさんありますので。。
ちなみに
私がこんなことをつぶやくきっかけになったケースは、最近所属先で次のような問題があったからでした。先生方、レピュテーションリスクをご指摘になるでしょうか?
- 大病から快復した社員が「元気だ。普通に仕事をさせろ」と言って詳しい状態が把握できない。業務には車両の運転が含まれるが、運転させてもよいだろうか。
- 退職した社員が在職中に業務外で起こしたトラブルの関係者が、警察や新聞にタレ込むぞと言って会社に再三不当要求をしてくる。どう対応したものだろうか。
*1:基本的に微妙な相談しかしないので、否定的なご意見になります。