私たちのチームでは、年初にコンプライアンス研修計画を立てます。
今年もそうしたのですが、計画を立てた端の2月半ばから出張や多人数会議が禁止され、たちまち計画が頓挫。それでも「何もしない」という選択肢はないので、軌道修正を行い、Teamsなどを使ってオンライン研修を試みています。
オンライン会議ツールはTeams優勢?
オンライン会議ツールは、一般にはZOOM利用率が高いように思います。セキュリティ面での懸念もありますが、売上高2倍に軌道修正するほどの好調さですものね。ブレイクアウトセッションという、参加者を小グループに分ける機能がとても魅力的で、我が社でも新入社員研修ではZOOMを使用しています。
しかし、ZOOMは我が社のスタンダードではありません。Microsoftの囲い込みで、我が社のスタンダードはTeamsです。GoogleMeet、Webexなどもありますが、私の個人的な調査では、上場企業の法務部門はTeams率が高い。裁判のIT化で用いられるのがTeamsだから?いや、Microsoftの囲い込み+オンラインツールへの投資のためらいですよね、きっと。
初めてのTeams研修での学び
先月、初めて30名ほどの受講者を相手にTeams研修を実施しました。もともとオフライン集合研修で予定が決まっていたものを、急遽オンラインで実施することに。私たちも初めての経験で、学びがありました。それは、大きく次の3点。
- 通信不安定に備えよ
- イヤホンマイクを使うべし
- 反応を探れ
1. 通信不安定に備えよ
徐々に解消しつつあるようですが、4〜5月は、通信キャリア側の問題で通信が不安定になりやすかったようで、途中で音が切れることがしばしば。負荷を下げるために、ビデオはオフにするなどの工夫はしていたものの、それでも「今、聞こえなかった」と言われることが何度かありました。
そこで、通信不安定に備える必要があるのですが、オンライン研修での備えには、次のようなものが考えられると思います。
まず、事前に教材を配布しておくこと。
教材を先に渡すと耳が疎かになるからやりたくない、という講師もいらっしゃるかとは思いますが、オンラインでは教材を先に渡しておかないと、知識伝授系の研修では習得度がかなり下がるように思われます。
次に、時間に余裕を持っておくこと。
オンライン研修では画面凝視になりがちで、会社的にも1時間に一度は目をPC画面から離すことが推奨されているので、休憩なしのオンライン研修は1時間が限界です。その限られた時間で、できるだけ多くのことをお伝えしたいと詰め込みたくなるのですが、「聞こえなかったからもう一回」ということが起きるので、欲張りすぎないことが大切だと学びました。
2. イヤホンマイクを使うべし
オンラインでのエチケットになりつつある気もしますが、講師役はイヤホンマイクを使ったほうがいいです。PC内蔵のマイクももちろん使えますが、PC内蔵マイクはある意味優れもので、声以外の音をしっかり拾ってしまい、聴くほうは耳障りです。特に、研修では手元資料をペラペラめくったり、メモをとることがあるので、「カサカサ」「サラサラ」がやたら聞こえてしまいます。
私は、AirPods Proを使っていて、基本的機能は問題ないのですが、人よりかなり耳の穴が小さいらしく、よく落ちてしまうところが難点。本当のヘッドセットの方がいいかも。
3. 反応を探れ
当社では、通信量の削減とか通信負荷の軽減とかいった理由で、講師役以外のビデオやマイクはオフにするので、受講者がどんな反応をしているのか知ることができません。
オフライン研修だと、携帯やPC見てるなぁとか、熱心にメモを取ってくれてるなとか、はたまた寝てるな…とか、いろんな反応を得て、ゆっくり話したり、抑揚をオーバーにしたりといった調整をするのですが、オンラインでは完全に一方通行…
これは、チャット機能を使って実況中継してもらうとか、質問や感想をチャットに書いてもらうとか、そういったことで双方向を志向していかないといけないなと感じました。「誰か当てて発言してもらう」というのも一案です。講師が一人で場の雰囲気(?)を感じることが難しいので、オンラインの場合は、チャットの書き込みを拾うなど裏方のサポートも欠かせません。
意外にも好評
課題も多いオンライン研修ですが、今月も100名以上を対象にTeamsで研修を実施しています。アンケート結果からは、次のようなコメントがあり、意外にも?好評のようです。
- オンラインで気軽に参加できるのがいい、定期的にやってほしい
- 地方だと本社が見えづらいから、オンラインでやってもらってよかった
- 短時間なのがいい
当社は、北海道から沖縄まで事業所があって、営業マンが多いこともあり、集合研修が難しいという課題がありました。今年は、その課題を打ち破るべく「全国行脚するぞ!」と意気込んでいたところのこの状況。止むを得ず、オンライン研修に切り替えたのですが、結果的には、場所を選ばず、自宅からでも参加できるし(講師も自宅から!)、意外とそつなくできることも判明したので、今後も試行錯誤を重ねながら、現場の要望に応えていきます。