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大阪で働く法務パーソンのはなし

オンライン研修の質疑応答

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今年も残すところ2か月あまり。
毎年この時期、当社は研修シーズンとなります。年初にやりたいことを考え、実施できるのがこのタイミングになってしまうんです。

オンライン化で500名超が受講

一気にテレワークが進んだ副産物として、今年は勤務地にかかわらず、どこの社員に対しても研修が実施できるようになりました。結果、今年、法務で実施する研修の受講者は、オンラインではありますが500名を超えることが確実。人事がする研修よりも受講者が多い自信があります。

先日、200名ほどの受講者を招いたオンライン研修を開催したのですが、こうなると受講者の反応を確かめることはほぼ無理です。以前にも書いたとおり、このあたりがオンライン研修の難しいところですね。受講者も、画面の前に鎮座しているだけでなく、チャットやスタンプで反応をもっと積極的に示してくれるとありがたいのですが。

質問を事前に募ってみたら

オンライン研修という手段を手に入れた今年、私たちは、これまで手の回っていなかった最前線の営業社員へのコンプライアンス研修に挑戦しています。

こちらから伝えたいこともあるけれど、受講対象者の問題意識が知りたくて、研修に先立ち、彼らがどんな疑問を普段持っているのか質問を募ってみることにしました。オンライン研修だと、その場での質問も期待できないですし…

当社ではMicrosoft365を使っているので、質問の収集はFormsにて。結果は…期待どおりというかなんというか、質問を返してくれる人は極めて少数でした。
その中身の一例は次のとおりです。

  • 絶対に発してはいけない言葉は?
  • コンプライアンス違反の線引きはどこ?
  • 使っていいフリー素材フォルダを作ってほしい

軽い気持ちで聞いてくれたのかもしれないし、質問してくれないよりずっといいのですが、どれもなかなか回答の難しい質問です。

  • 絶対に発してはいけない言葉は?
    →倫理的なものを除いて、「これ言ったら一発アウト」と断言できるものはないように思う。
  • コンプライアンス違反の線引きはどこ?
    →ここからコンプライアンス違反という明確な線引きはできない。

という全く希望に沿わない残念な回答になってしまいました。
フリー素材を集めたフォルダも、アイデアは素晴らしいのですが、「フリー素材サイトの素材をストックしておこう」ではなく、「会社で使える素材を作ろう」という発想に(会社が)向かうといいんですけどね…

ほかにも、「当社で電子契約が進まないのは、どういうところが問題なのでしょうか?」という、とても鋭い質問もありました。

チャットでの質問は意味が掴みにくいものも

反応を窺い知れないオンライン研修でも、研修の終盤には一応「質問ありませんか?」と聞いてみます。大抵はしーんと無反応ですが、オンラインの場合には「チャット」という手段もあります。
チャットを活用してくださる方もいるのですが、相手は最前線の営業マン。法務×チャットは一回のラリーでは真意をつかむことがかなり難しいです…たまたま質問者の意図を一発で汲み取ったところ、チームのメンバーから「理解力すごすぎます」と言われる始末。

チャットでの質問は、「聞き取れない」という問題は起きないけれど、意図が伝わっていない可能性があるので、自分も気をつけなければと思いました。

勇気のある社員に感謝

当社には数百名の営業社員がいるので、オンライン研修は複数回開催し、商談の合間にどこかで参加してもらうようにしています。こちらがお送りする内容はどの回でも同じですが、全体の仕上がりは、オフラインと同様受講者によって異なります。顔も見えないし、同じ会社とはいえ他の部署の人もいる中から一人、発言をするのはとても勇気のいることだと思いますが、そういう勇者が現れる回は、全体としての満足度も高くなります。誰かが口火を切れば、後に続いてくれる人は結構いるから。

ということで、可能であれば、サクラを仕込んでおくのも良さそうです。
うちのチームの場合、懇意にしている社員が協力してくれます。普段から恩を売っておくことは大切ですね。