緊急事態宣言が延長されています。感染者数や重症者数は減少傾向にあるようですが、事態が劇的に好転する可能性が低いので、今年も当社の株主総会は縮小開催の予定です。
昨年の反省:壇上は密気味だった
昨年は株主に来場自粛を促したり、お土産を取りやめたりしたことが功を奏したのか、例年と比較すると、お見えになった株主はかなり少なかったです。ただでさえスカスカに椅子を配置しているのに、おかけになる株主も少なく、前から見ていると異様な雰囲気でした。
昨年は準備の時間を十分に確保できなかったため、対策は株主に対するもので精一杯で、壇上は例年どおりでした。壇上にいたのは、役員たちと事務局。
役員は間隔を確保できたのですが、事務局が議長席の後ろにスタンバイしている様は、今の感覚ではちょっとありえない近さだったかもしれません。
今年は壇上も密回避
壇上ではみんなマスクをしているし、そんなにおしゃべりすることもないから、誰かからお叱りがあったわけではありません。しかし、社内には神経質な人もいるし、会場がスカスカなのに壇上に人がいっぱいなのは不恰好だという意見もあり、今年は壇上は最小限にしようという話になりました。
登壇する役員も、事務局の数も減らす。いっそ、事務局は全員壇から下ろしてしまえ、という意見も出ていました。反対意見としては、機器トラブルが発生したときにスムーズに対応するには、壇上に少しはいたほうがよいのでは?というものも。そんなときに壇上の事務局が役に立つのか?という気もしますが。
フォーメーション案①:舞台袖
では、壇上にいられない人たちをどこに配置するか。ひとつの案は、舞台袖(壇の横)に席を作ってそこでスタンバイする。
株主から見えないように立派な衝立を用意して、議長など壇上にいる人からは見えるように配置するという案です。見えるところにいるし、もし、答弁が必要になればさっと出ていけるので、リスクが少ないです。
昨年、サイボウズの株主総会を拝聴したときは、社長だけがずっと壇上(見えるところ)にいらして、答弁にあたった役員の方は、まさに舞台袖から登場されていました。
悪くないのですが、衝立の向こうは密になるのでは?という懸念が出ています。
フォーメーション案②:別室
衝立の向こうが密になってはいけないということで、もうひとつの案は、別室で待機し、答弁が必要なら別室からモニターで答弁するというもの。広いスペースが確保できて、密の心配はないらしい。
しかし、そうすると本会場と別室を中継する準備が必要で、コストがかかります。また、配信を予定しているので、綺麗に切り替えようとするとこちらもコストがかかる…
そもそも、別室で待機するくらいなら、もはや本社なり自宅なりからオンラインで参加すればいいのでは?とも思うので、この方法はあまり支持が集まらなさそうです。会場にいるという強みはありますが。
フォーメーション案③:オンライン
東京など遠方にお住まいの役員もいらっしゃるので、もはやわざわざご足労いただかなくても、オンラインでいいのでは?という案。
これまたサイボウズのお話ですが、昨年は役員の多くがオンラインで参加されていました。オンライン答弁もありましたが、特に問題はなかったと思います。
しかしながら、当社で今年採用するのは、ちょっとハードルが高そうです…残念。「答弁中にオンラインが切れたら…」と心配する方も多い。
フォーメーション案④:バーチャルオンリー型(上場会社のみ)
壇上からいかに人を減らすかではなく、いっそ会場ごと無くしてはどうでしょうか。産業競争力強化法の改正案が先日閣議決定されたそうで、いよいよバーチャルオンリー型株主総会が正面から認められることになりそうです。しかも公布後3か月以内に施行というスピード感。6月総会の会社さんなら、利用可能になるのかも?
採用に当たっては、一定の要件をクリアし、所管大臣の確認を受けた上で、「場所の定めのない株主総会」ができるという定款変更が必要です。
第六十六条 …金融商品取引法に上場されている株式を発行している株式会社…は、株主総会…を場所の定めのない株主総会とすることが株主の利益の確保に配慮しつつ産業競争力を強化することに資する場合として経済産業省令・法務省令で定める要件に該当することについて、経済産業省令・法務省令で定めるところにより、経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合には、株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる旨を定款で定めることができる。
(略)
定款変更がいるのか…とガッカリしたところ、なんと親切なことに、附則で以下の定めが設けられており、期間限定でその定めが定款にあることにしてもいいそうです。大臣の確認を受けなければならないことに変わりはありませんが。
第三条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の際現に…金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社…である株式会社…が、第一号施行日から二年を経過する日…までの間に第一条の規定…による改正後の産業競争力強化法…第六十六条第一項に規定する経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合には、当該株式会社は、当該期間においては、その定款の定め…にかかわらず、その定款に同項の規定による定めがあるものとみなすことができる。
(略)
もっとも、バーチャルオンリー型の株主総会のネックは、場所がありやなしやというより、通信の事故がないか、あったら総会決議の有効性はどうなるのかが怖くて、なかなか踏み込めないのでは?と思うので、法律の後押しだけで広がるかは微妙ですよね。
当社は絶対にやらないと思う…