昨日はサイボウズの第24回定時株主総会でした。
昨年に引き続き、一部のみですが視聴しました。
本日13:30より株主総会。
— 青野慶久/aono@cybozu (@aono) 2021年3月28日
5点ほどサイボウズらしいチャレンジを。
①質疑応答までリアルタイム配信
②株主以外も参加可
③バーチャル出席システム構築。キントーン!
④企業理念を定款に盛り込む
⑤社内公募した17名全員が取締役に
サイボウズ株式会社 第24回定時株主総会 https://t.co/Cph2OhwvvW
オープンなサイボウズ
サイボウズは、kintoneやサイボウズOfficeなどを手がけるIT企業で、特に昨年は、「がんばるな、ニッポン」というちょっと挑発的なキャンペーンをしたり、知名度を上げています。カンブリア宮殿にも出演されましたし。
経営会議の議事録などもすべてオープンにするなど、徹底した情報公開でも知られる企業ですが、株主総会もユニークです。ライブ配信は当たり前、さらに株主でなくてもリアルタイムで視聴でき、挙句質問までできてしまいます。
昨年には、株主のコミュニティが立ち上がりました。
今年はハイブリッド出席型バーチャル株主総会
今年のサイボウズの挑戦のひとつは、ハイブリッド出席型のバーチャル株主総会を取り入れたことです。配信を見ながら、質問も議決権行使もできるようになりました。試しに会議中に議決権を行使してみたのですが、何の問題もなくスムーズでした。利用した人がどれくらいいるかわからないけれど、サイボウズの株主数は約25,000名で個人株主が多いでしょうから、意外とハイブリッド出席型もいけるんじゃないか?という自信を与えてくれました。
回答役員の指名や該当する想定問答の抽出、質問受付、議決権集計などの総会運営は、kintoneを使っているそうで、「自分たちでやってみて、総会支援システムとして売ろうと思っている」という趣旨のお話をされていたので、首を長くして待つことにします。
本当に、たいていのことはkintoneで解決できると思う。職業柄、リーガルテックについて調べることがあるけれど、CLM(契約ライフサイクルマネジメント)とか案件管理とか、kintoneでできるのでは?と、心の中で突っ込んでいます。
ちなみに、質問したい人は、議場にいて発言したい人を除き、用意されたフォームに記入することになっていました。字数制限があるのですが、これは本当にいいですよね。議場の方もそうしたいくらい。当社の話ですが、議場で質問される方って、「質問しよう!」と思ってこられているだろうに、いざマイクを持つと迷路に入られる方も多いし、演説を始められる方もいたりして、どうお答えしてよいか困るときもあります。議長が「簡潔にお願いします」と言っている株主総会もありますよね。
今年の目玉は取締役選任
構想が発表されたときから大きな話題になりましたが、今年、サイボウズは取締役候補者を社内公募で募り、自薦の17名をそのまま付議しました。そして、原案どおり可決。立候補されなかった副社長と創業メンバーのお二方は退任(サイボウズにはもちろん残られる)。
2020年入社の新入社員も含まれていることから、昨日はYahoo!トピックスにも上がるほど、大きく取り上げられていました。
今月は改正会社法が施行されて、上場企業は社外取締役の設置が義務化されたというのに、1年の猶予があることを良いことに?、今年も社外取締役を選任せず*1、16名もの従業員を取締役に選任するなんて、会社も株主もどうかしてる!
普通ならそうなるところですが(実際批判的な意見も多いようですが)、「理想への共感」「公明正大」「多様な個性を重視*2」「自立と議論」をカルチャーとして、パーパスである「チームワークあふれる社会を創る」のために、サイボウズはこの方法で真摯に・真剣にやっていくのだ、という決意の表れなので、外野が何を言おうとこれでいいんですよね。よそはとても真似できませんが。。
ボードメンバーは20名・従業員は1,000名超
サイボウズの取締役会は、取締役が17名、監査役が3名の総勢20名体制になりました。ボードメンバーが20名くらいいることは、超大企業だと珍しくはありませんが、サイボウズの規模だとちょっと多い。これまでは取締役3名で機動性を確保しながらやってきたはずなので、この大きな変化にどう対応していくのだろう?と、勝手に心配しています。みんなちゃんと取締役会に出席するのかな?(しなくてもいい組織なのだけど…)
また、情報をオープンにし、意見があれば誰でも言えるという前提で、この経営スタイルを敷かれたわけですが、従業員が1,000名を超え、さらに増えることが想定される中で、このスタイルを貫けるかも気にはなります。