Legal X Design

大阪で働く法務パーソンのはなし

新人育成に悩む

小規模法務が新しいメンバーを複数迎えててんやわんやしています。

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「思うようにはいかない」と頭ではわかっていても、実際そうだと「指導方法が悪いのか」と悶々としてしまいます。

「やってもらってうれしかったこと」「やってほしかったこと」をやる

私は、この世界ではかなり恵まれた新人でしたが、渦中にいるときは不満もそれなりにあって、先輩や後輩に愚痴をこぼし、あるいは真正面から文句を行ったこともありました。今なら冷や汗が出ますが、一理あると思ってくださったことは取り入れてもらえて本当に良い環境でした*1

そんな経験から、チームのメンバーに接する心得として、次の大前提を置いています。当たり前かもしれませんが。

  1. 「やってもらってよかったこと」「やってほしかったこと」をやる
  2. 「やってほしくなかったこと」はやらない

そして、私が新人時代に「やってほしかったこと」のひとつが、上司からフィードバックや話をしてもらうことでした。もちろん、ひとつひとつの仕事ではフィードバックをもらえるけど、点ではなく線や面で話す機会があったらよかったと思う。

日報は指導へのフィードバック

そんな思いから、オンボーディング期間中(原則1か月)は、新入メンバーには日報を書いてもらっています。

想定作業時間は10分以内で、内容は次のような感じです。

  • その日やったこと(箇条書きベース)
    →手持ち無沙汰にさせていないかなどの確認のため
  • (あれば)新しい発見や気づき
    →どこに面白みや重要さを感じたかを知るため
  • (あれば)よくわからなかったこと、質問
    →同上

新入メンバーにとっては1日の振り返り(の足し)ですが、本当の目的は指導へのフィードバックをもらうこと。伸び伸びやってほしいのに、おっかなびっくりになっていたり、きちんと伝えたつもりがどうやらそうでもなさそうだとわかったりします。
それらを受けてコメントバックしたり1on1で話したりして、1日も早く私やチームに慣れてもらい、さらにはオンボーディング期間が終わるころにはチームの一員として心理的安全性が一定程度醸成されていることを目指しています。

日報をオンボーディング期間に限定しているのは、前職でずっと日報を書かされて面倒くさかった(毎日ほぼ終電だったのに…)のと、毎日全員分を見てコメントバックするのはこちらも体力が持たないためです。

目につくのは至らなかったところ

そうこうして新入メンバーから聞こえてくるのは次のようなこと。

  • 一度指導されたことがまたできなかった
  • 注意力が足りずに完成度の低い成果物を作ってしまった
  • 簡単な作業でもすごく時間をかけてしまう
  • 戦力になれなくて申し訳ない
  • 指示されたことがきちんとできているか不安になる

胸が痛くなる…仕事柄、求められる合格点が高めになるから細かいことも指摘するし、そもそも粗探しが得意なもので、どうしても「至らなかったところ」が目についてしまうのです。。

言い訳すると、「ここはできていたよ。次からは、●●のためにこうしよう」と、できていたことや改善が必要な理由も伝えるのですが、、改善点の指摘が多くなってしまう。

でも、これは仕方ないですよね…?
本当はほかにも直すべきところがあるのに、それを黙っておくほうが信頼を損ねると思い、取り組んでもらった課題や業務へのフィードバックでは、目についたすべてを原則伝えるようにしているのですが、これってマズいやり方でしょうか。。

力不足や不安と闘え

力不足が吐露される日報や1on1から、それで不安を覚えさせる私の指導方法はよくないのでは…と不安がよぎることがあります。若い人もメンタルヘルスの問題で休退職する人が多くいて、人事からは「上司がしっかりマネジメントするように」とか言われるし。。

ただ、それでも私は言いたい。

「自分の力不足やこれでいいのかという不安と闘いなさい、この仕事を続ける限り」と。

仕事をするたびに自分の力不足や無知を知るのは、何年経っても変わりませんし、むしろ経験を重ねるほど大海の広さや深さがわかる気がします…

喜びや面白さが勝るように

ただ、新人だった私は、仕事ができない辛い現実よりも、毎日いろんな新しいことを学べる(特に条文などと目の前の問題が結びつく)喜びが勝って、今の新人のような感想を上司や先輩に伝えたことはなかったような…
そういうものを見せてはいけないと思っていたのか、それとも「新人が仕事できないのは当たり前で、教えても仕事ができるようにならないのは教えるほうが悪いから」くらいの偉そうな気持ちも持っていたのか、今となっては覚えていませんが。

若いメンバーたちには、先輩のように仕事ができないことを嘆くよりも、もらった仕事から得る新しい知識や経験、以前できなかったことができる喜びや面白さにスポットをあててもらえたらと、日々悪戦苦闘しております。結局、私の力不足か。。

*1:新人の私にとって良い職場環境だったのであって、組織全体が良かったわけではないと思っています。実際、慕っていた方々はどんどん去っていきましたし、私も辞めた…