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大阪で働く法務パーソンのはなし

自部署のビジョンを考えてみた

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そろそろ来期の計画を考える時期になってきました。

中間管理職の私にできることは、現有戦力で何をするか、ということ。予算は良くて現状維持、最悪カットが予定されている中、ヒトだけでどんな貢献が会社にできるのか。

経済産業省の指針(案)に沿って、まずは法務部門のMVVを考えてみました。

法務機能強化のストーリー

経済産業省では、現在、国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会において、法務機能(強化)の実装と人材育成をいかに実現するかの指針を示すことが議論されています。議論は終盤に差し掛かっており、議論の過程は公開されているものの、最後の会合から4か月ほど経ってもまだ公表に至りません。

したがって、まだ完成とはいえませんが、研究会内のWGでは、 法務機能実装の方向性のストーリーが示されています。

法務の機能は「クリエーション」「ナビゲーション」「ガーディアン」 

WGの資料によれば、法務機能の理想像は以下のように示されています。

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法務機能の理想像

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法務機能の意味

ひとことで言えば、「ビジネスをつくり、育て、守る」ということかと思います。

では、現状からそういった機能を達成できる部門にどう変えていくのか?というと、それは以下のように示されました。

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改善のストーリー

まずは、「ビジョンの設定」。会社の理念や方針と対応した法務のミッション、年度方針、目標など大きな方向性を検討し、イメージを共有することから始めよ、とのこと。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を考える

そこで、私たちもMVVを考えてみることにしました。私たちの部署は、私のほかは20代(と門外漢の50代ボス)なので、モチベーションの維持がリテンションという意味でも大変重要です。

具体的な進め方は、次のとおりです。

  1. 環境分析(何をしてきたか、これからどうなるか)
  2. ミッションを決める(誰にどんな貢献をするのか)
  3. ビジョンを描く(ありたい姿をイメージできるくらいの具体さで)
  4. バリューを決める(ミッション・ビジョンをどんな価値観で実現するのか)

最初に、自分たちはどんな仕事をしてきたかを振り返り、これからどんな仕事をしていくのかを考えました。世の中がどう変わっていくのかを見据えることも重要ですので、5年後を想定したPEST分析などもしてみました。メンバーの総意として、定型的な契約書チェック作業は減るけれど、PJサポートを含めた相談対応は増えるのでは?という見立てでした。

そのあと、MVVを決めていったのですが、若手から「(クライアントと)ともに取り組む」というビジョンが出てきたのがとても嬉しく、頼もしく思いました。また、私たちが重要視する行動基準として、「スピード」が選ばれたことに、時代の変化の速さを改めて感じました。笑

何をするか?をどう決める?

さて、次のステップは、打ち手を考えるための「現状把握」です。これが大変難しい。。

推奨されているのは、①社内アンケートの実施、②部内の意識調査の実施、③業務量・業務内容の見える化

②はさほど難しくありませんが、①と③は自分たちだけの力ではできません。しかし、働きかけができるほどのプレゼンスはない。そして、それが法務部門の最重要課題なんじゃないでしょうか。

そのブレイクスルーをどう起こせばよいのか、経済産業省が最終報告でヒントをくれることに期待しています。