Legal X Design

大阪で働く法務パーソンのはなし

LEGAL LIBRARYがリリース

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今月、LEGAL LIBRARYの正式版がリリースされました。

来年1月31日まではFREE TRIALということで、早速トライ。

文献調査は法務の基本だが…

 

法務業務を遂行する上で、文献調査は欠かせません。

最も優先して確認すべきは条文ですが、条文を読むだけでは解決できないことが圧倒的に多い。そんなときは、裁判例や雑誌、注釈や基本書などの文献をあたります。

昔、ある方が「『自腹でどれだけ本を買ったか』が法務の力の差になる」というようなことをおっしゃっていました。私は今でもそれを信じていて、専門書を購入することをためらわないほうですが、そうはいっても業務で用いるすべての書籍を購入することなどできません。また、我が社は、法務に充てられる予算が極めて限られているので、会社の費用で購入できる書籍にも限界があります(ちなみに、図書費(雑誌含む)の予算は年間で10万円にも届きません)。

したがって、どうしても確認したいと思う書籍は、顧問弁護士にお願いして見せていただくこともあるのですが、そこは大阪の弁護士事務所。やはり蔵書には限りがあり、弁護士会の図書館にお世話になることも多いそうです。

加えて、書籍の難しいところは、「探している記述」を発掘すること。これまでは、それっぽい書籍をひとつひとつ見て確認するしか方法がありませんでした。そこに現れたのがLEGAL LIBRARYです。

約10万ページの信頼できる法律専門書や官公庁等の各種資料を横断的に検索閲覧できるサービスがついに正式リリース

LEGAL LIBRARYは、その名のとおり、法律専門書のライブラリ。しかも、書籍を横断的に検索することができるという優れものです。もう、一冊一冊開ける必要はありません。

このサービスの運営会社(株)Legal Technologyは、(株)経営共創基盤に所属されていた二木康晴弁護士が代表を務めています。二木弁護士の著書「いちばんやさしい人工知能ビジネスの教本」では、AIやドローンの可能性を楽しく学ばせていただきました。

LEGAL LIBRARYの存在を知ったのは、ちょうど1年ほど前、有斐閣がこのサービスの実験に参加するという記事を拝見したときのこと。

法律専門書というのは、著者はさることながら、出版社も「参照基準」になります。つまり、「ここの出版社なら、(著者を知らなくても)信頼に足るだろう」と判断されます。中でも有斐閣は、法律の世界にいる者なら大学生でも知っている超一流出版社。記事を拝見したときは、「すごい時代がきたなぁ。サービスのリリースが楽しみだなぁ」と思ったのを記憶しています。その日がついにきました!

複数の書籍を横断検索できるのは感動 しかし…

早速試してみたのですが、キーワードを入れると複数の書籍が提案されるのは感動ものです(雑誌ではできていたけれど)。

ただ、願わくば改善いただきたいところが数点。

まず、最新の版が載っているわけではないということ。大人の事情もあるのだと思いますが、最新版でない場合には、「この本は旧版ですよ」と教えてくれるとありがたいです。

そして、蔵書一覧が見られないこと(見方をわかっていないだけかも?)。どんな本があるのかな?とか、この本あるかな?と思ったときに、一覧を見られるととてもうれしい。

とはいえ、まだリリースされたばかり。それでも有斐閣はじめ、法律専門書の有力な出版社が参加しているのはすごいことです。これからもっと、書籍もサービスも充実していくことに期待します。