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大阪で働く法務パーソンのはなし

2020年の始まりに揃える本

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私のチームでは、「六法の新調」という真っ当な理由と「決算までに残った予算を使おう!」という邪な気持ちから、年末に書籍をまとめて購入します。

業務に必要な書籍は、必要なときに購入するのが本来的なのですが、大半の業務はなくてもなんとかなってしまうもので。。年末には必ず書棚のアップデートを検討し、新しい書籍とともに新しい一年をスタートすることにしています。

候補をどう選定するか?

世の中には書籍があふれています。法律系の書籍も同じ。ライト〜ヘビー、(失礼ですが)著者が無名〜高名まで、いったいどれが良書なのか、業務に有用なのか。一冊一冊チェックすることもできないし、何かコンパス的なものが欲しい。

そこで、私たちは、以下の情報を参考に候補を選定することにしています。

①BUSINESS LAW JOURNALの2月号特集

書棚のアップデートがこの時期になる決定的な理由は、この特集を待っているからです。

様々な法務パーソンが直近で出版された書籍を講評してくれる本特集。あらゆる書籍をお読みになっているわけではないでしょうから、いくらか割り引いて読む必要があるとは思いますが、複数の方の推薦がある書籍だと、かなり高ポイントです。

クラウドサインの「サインのリ・デザイン」

電子契約サービスの大手、クラウドサインのオウンドメディアでは、法務パーソンに役立ちそうな書籍がたくさん紹介されています。執筆されているのは、法務パーソンでブログやSNSをやっている人なら知らない人はおそらくいない「企業法務マンサバイバル」の管理人でもある橋詰卓司さん。同ブログでは、かねてより書籍の情報がたくさん発信されており、私は果たして、何年、何冊、この指南に基づいて書籍を手にしているでしょうか。。(期待にもれず、今年も法律書マンダラが更新されていました!)

③弁護士に聞く

顧問事務所の若手弁護士さんにおすすめ書籍をお尋ねすることもあります。私が事務所時代に座右に置いていた書籍で改版を重ねているものも、弁護士をはじめとするプロのお目にかなっているということで、候補になりやすいです。

ほかにも、一応Amazonのレビューを読んでみたり、実際本屋さんに行って中身を確かめたりすることもあります。

「会社のお金で買う書籍」の判断基準

こうやって、いくつか興味のある本をピックアップするのですが、公私の峻別は大切。会社のお金で買うものを、どのように線引きするのがよいでしょうか。答えはありませんが、今のところ私は次のようにしています。

契約書のチェックや相談対応など、純粋に業務遂行のために必要かどうか?

したがって、スキルアップのための書籍は、会社の経費では買っていません。そういうものは当たり外れも大きい気がして、とりあえず私が自腹で買って読んで、みんなにも読んでほしいと思う本は、書棚に寄付しています。(もちろん、強制ではありません!)

2020年に新調した書籍

前置きが長くなりましたが、以上を踏まえて私たちが2020年のスタートに新調した(会社のお金で購入した)書籍は、以下のとおりです。

これがなくては仕事ができません。業務で使う法令がすべて網羅されているわけではなく、ポケット六法で足りるというお考えもあるとは思いますが、六法くらいということで奮発しています。

初版は、私たちのチームで参照率ぶっちぎりNo.1でした。弁護士さんも愛用されている方が多いらしい。そんな名著が待望の債権法改正対応!辛口コメントも目にしたことがありますが、初版をこんなにも使っていて、第2版を入手しない選択肢はありません。

現在の我が社の電子契約導入状況は、ほぼゼロですが、どう考えたって電子契約はこれから普及期に入っていきます。そこで、もうちょっと勉強したほうがよいのでは?というのが選定理由。電子契約の書籍ってあまりないんですよね。クラウドサインでも、入手可能で有用な電子契約本としてご紹介がありました。

年度計画を立てるとき、現在や来年のリーガルリスクがどう変化しているか、変化しそうか?ということをまず考えるのですが、今回は「労務リスクが上がっている」という判断になりました。働き方改革関連法の施行により、あるいは、過重労働やハラスメント関連の報道や労働者の権利意識の高まりなどがその理由です。

我が社では、労務問題は基本的には人事が担当しますが、見ていると危なっかしいところもあり、私たちも備えが必要だ!ということで、労働法も書棚のラインアップに加えることに。労働法といえば、私が学生の頃から菅野先生の緑の本が幅をきかせていましたが、今回は労務専門の弁護士のご推薦で水町先生をチョイスしました。分厚いだけあってお値段も立派!

本当は、商業登記の本もアップデートしたいのですが、なかなか候補が見当たりません。会社法施行後、商業登記ハンドブックを愛用していますが、そろそろ改版していただかないと、第3版は結構古くなっております。。