Legal X Design

大阪で働く法務パーソンのはなし

法務への依頼をどのように受けるか

f:id:itotanu:20210705000812j:plain社員より、「相談窓口を明確にしてほしい」という意見が多く寄せられました。
手元のツールでどのように改善できるかを考えるものの、よい解決策が思い浮かびません…

法務へのクレーム「誰に依頼すればいいかわからない」

社員に法務への改善要望を聞いたところ、「誰に依頼すればいいかわからないので相談窓口を明確にしてほしい」という意見が多くありました。

実際、誰に依頼すればいいかわかりにくいです。
異動があるので、「今の法務のメンバーがわからない」ということもありますし、法務メンバーの顔や名前は知っていても、「担当がわからないので誰に連絡したらいいかわからない」ということもあります。

うちは小規模法務ですし、メンバーの経験値の差も大きいので、「●●部はAさん」という決め方はしておらず、依頼内容に応じて担当を振り分けています。だから、依頼はチーム全体にいただきたいのですが、どうしても「知っている法務の人」「いつもの人」に連絡がきて、責任者の私が飛ばされることもしばしば…(喜ばしいことかもしれませんが)

諸悪の根源はメール受付

では、そんなクレームが多数寄せられる我が社の相談受付方法はどんなものか。至って普通の「メール」です。

最近はチャットで受け付けるという企業も聞き及びますが、まだまだメールで受ける企業が主流だと思います。しかし、メールは閉じたコミュニケーションなので、宛先がわからないと送ることができないし、宛先に入れてもらえなければ内容を知ることもできない。メンバー一人にしか送られていなくて、そのメンバーが長期休暇に入っていたために確認が遅れるというトラブルも珍しくありません。

「誰に依頼すればいいかわからない」というクレームが生まれるのは、受付方法がメールだからです。諸悪の根源はメール。

手元にあるのはメールとMicrosoft 365、改善策はあるか

「相談窓口を明確にしてほしい」という要望が一定数確認できたので、改善策を考えています。全社員が使えるのは、メールとMicrosoft365(Teams)。

さて、どんな方法があるだろうか?と考え始めたら、1年以上前に比較検討した記事があったことを思い出しました。

katax.blog.jp

当たり前かもしれませんが、 「これなら解決!」というものはなさそうです。

一番手っ取り早いのは、法務専用アドレスを作成し、依頼はそこに送るようにと周知することだろうと思うのですが、そのアドレスを知らなければ使えません。「知らなければできない」は、私が一番嫌いな社内ルールなので、採用し難い。

チャットは便利のようで便利でない(気がする)

せっかくTeamsが全社員使えるようになったのだから、これを活用してはどうか?と思うのですが、次の点からこちらもなかなか現実味がありません。

  • Teamsのチームやチャネルを使いこなしている人が少ない
  • 法務のチームに依頼チャネルを作ると、部外者も相談内容を見れてしまう
  • 各部のチャネルに依頼チャネルを作ると、いちいちアクセス権をもらわないといけないし(kataxさんのいう「人事異動対応が地獄」)、メンションしてくれないと依頼を見落としそう(そして、メンションするには法務メンバーを知らないといけない)
  • 関係者への共有方法が難しい(メールなら転送して解決)

ワークフローが最適解か

そうすると、お金はかかるがワークフローが最適解ではないか?となるわけですが、たかが年間数百件の相談対応のために「法務相談専用のワークフローを入れてほしい」など頼めるはずもありません。

全社で使うワークフローに、法務相談用のフォーマットをのせてもらうのがよさそうだと想像はするのですが、その場合の承認・共有ルートはどうするのか(依頼者→上長→法務でよいのか?)、機密案件はどうするのか(機密用フォーマットを作る?)といった課題の答えを見つけられずにいます。
そもそも、自社がどんなワークフローシステムを入れるのかが決まっていないから、どんな設計ができるかもわからない。

こうして改善策を考えていると、メールの柔軟性の高さに感心してしまいます。。