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大阪で働く法務パーソンのはなし

株主総会の想定問答をつくる

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株主総会を控え、想定問答の準備をしました。
毎年思うのですが、これって、もっと効率的にできないものでしょうか。。

想定問答は溜まるばかり

株主総会前には想定問答を準備します。

当社では、想定問答は各子会社・各部門が作成します。答弁を担当役員に振るので、「自分のテリトリーの想定問答は自分で用意しなさい」というのが基本です。今年だと、コロナ対応やオリンピックといった特徴的なことがあるので、そういうものは、事務局からご指名で想定問答の作成依頼(指示)があったりもします。

前職では、回答は全て社長が自らしていたのできちんと作る必要性が低いし(コントロール不能…)、各部に任せた結果、IRで話していることと違う話が出てはまずいということもあって、IR部門が基本的にすべて準備していました。このへんは各社各様ですね。

「去年の6月総会や直近の総会ではこんな質問が出た」「今年はこんな質問が予想される」などと、証券代行なんかが脅して?くれるので、心配性なうちの役員たちは、毎年どんどん想定質問を増やしていきます。減ることは滅多にありません。そして、それを部下に下書き・更新させる←私、ココ。

何かの本で、想定質問は2,000くらい用意するとおっしゃっていた企業があって、うちはそこまでではないのですが、自部署のを見ると70くらいはありました。中には、もう誰も質問しないのでは?というものも残ったまま。想定質問は溜まるばかりです。

想定問答はエクセル

この時期は基本的に忙しいので、誰がこんな質問をするのか?と思うような質問のチェックをするのはうんざりなのですが、さらにうんざりさせられるのは、そのチェックがエクセルベースであることです。

これ、本当にみなさんどうされているのでしょうか。。
想定質問を追加したらインデックス用のシートに質問を転記しないといけないし、そもそもシートが100近くあると、自分がみたいシートにたどり着くのもイライラしてしまいます。また、私の仕事はチェックや更新なので、修正箇所はわかるようにしないといけない。Wordほど変更履歴は使いやすくないので、字の色を変えたり取消線を使ったりしなくてはならない。イライラは沸点に近づきます。

想定問答は印刷する

最近はさすがにしていませんが、ほんの数年前までは、各部が提出する想定質問を全部印刷し、登壇役員や事務局の全員に配布していました。私なんて、質疑応答中はやりとりを記録するのに必死で見る余裕はないのに、7センチくらいのリングファイルを渡され、毎年会場まで持っていくはめになっていました。。
今でも「念のため」ということで、数冊は全部印刷して持って行っているようですし、質問のインデックスは紙に印刷しています。誰を当てるか、どの想定問答を答弁席のモニターに映すか調整するために使っています。アナログ…

どうにかならないの?

想定問答を蓄積できる株主総会支援システムというものがいくつか販売されています。以下はその一例で、当社も1社だけ検討したことがあるのですが、「年に1回しか使わないものにこんなに払えない」と、今年もエクセルで頑張っています。

www.willway.jp

www.nec-solutioninnovators.co.jp

www.opt.co.jp

www.towaeng.co.jp

想定問答は使わない

メンテナンスが面倒くさいエクセルでの想定問答作成。しかし、各社・各部で作成された想定問答は事務局で統合させ、総会当日、答弁者のモニターに映すという作業があるので、自前でやるならエクセルが最も効率的のようです。

しかし、それだけ時間と手間をかけて準備した想定問答も、100%そのまま使えることは少ない。見立てが悪いんでしょうか。。
当社の場合だと、「あの商品はいけてない。なんであんな商品にしたのか」みたいなご質問(ご意見)も結構あって、結局担当役員は自分でその場で回答を捻り出しています。終わってみれば、質問と回答が合ってなくて、記録に困ることもしばしば。

何事も準備が大切といいますが、想定問答の準備にはもっと変革が起きてほしい。。