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大阪で働く法務パーソンのはなし

民法改正に伴う契約書ひな型見直しのための書籍

連休も明けて、いよいよ大きな仕事に着手しようかという気分になっています。

契約書ひな型の見直し。改正民法対応ですね。

手始めに、参考書籍などを集めてみました。

まずはお手本探し

先日の記事で、民法改正により契約書のチェックポイントを示してくれる書籍を取り上げました。そのほかに、私の手元には、次の本があります。

こちらは、北浜法律事務所の先生方がお書きになられた取引基本契約書のひな型と解説。民法改正を踏まえた解説も随所にありますが、改正を踏まえてどこをどう変えるかというよりは、契約書の各条項の注釈といった感じです。その分、賞味期限は長いのかもしれません。

電子書籍化されていることに驚き!)

こちらは、愛知県弁護士会所属の先生方がお書きになられた契約書の書式集です。もともと定評のある書籍だそうですね。本のタイトルどおり、前半では「契約審査手続」についてもわかりやすく触れられています。この本の良いところは、契約書の種類が豊富なこと。取引基本契約は、完全にone of themです。また、チェックポイントが簡潔であり、それぞれの契約類型にはチェックポイントもつけてくださっているので、ジュニアレベルの契約審査担当者には有用に感じました。

全体として非常に簡潔なスタイルなので、企業がビジネスにおいて使用する契約条項としては、ちょっと物足りないと感じるところがあり、注意を要します(反社会的勢力の排除など)。

 

また、ビジネスロー・ジャーナル2019年5月号の特集でも、改正を踏まえた契約ひな型の見直しが取り上げられています。

こちらも、超有名法律事務所に所属される先生方がお書きになられていて、特に重要な点について、どこをどう変えた方がよいか、ということを示してくださっています。

あとは外部セミナー資料などもあるので、とりあえずこれでやってみようと着手したところです。

会社法改正のときはどうしたか

ビジネスに関わる法律でこれほどまでの大改正というと、私としては会社法が挙げられます。新卒で働き始めたころでした。

会社法改正に備えて、定款をどうしていくのか、手続はどう変わるか、議事録などの書面はどのように変えるべきか、などをみんなで手分け・協力して研究?調査に勤しんだことを思い出します。

さて、そのとき当たった文献を思い出すと次のようなものがありました。

  • 旬刊商事法務に掲載された担当官の解説
  • 一問一答
  • (俗にいう)100問
  • (俗にいう)千問
  • 整備法の解説(書籍名を失念しました)
  • 当時担当官だった方のブログ

さらに不明点があれば、何度も法務省参事官室に電話したような…

あのときほど潤沢なリソースはないし、プロフェッショナル集団である法律事務所と一事業会社では立場も違うので、同じように準備することはできないけれど、信頼のおけるリソースに当たるということは常に心しています。

「信頼のおけるリソース」が、今の私にとっては、信頼できる法律事務所(弁護士)になったというわけですね。でも、一問一答くらいは読んでおくべきかな…というわけでとりあえず購入しました。